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『千と千尋の神隠し』――日本の生態学的・環境的言説に関する映画に基づいたケース・ステディーを概念化するということ

本稿は、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』の内容を環境に関連づけて読解するやり方について、その種のいかなる試みにも同意しないという観点から議論する。本議論は、フィールドワークと二次的資料を通して得られた多様な観点を分析する際、同映画に見られる物理的な設定に関連する象徴主義とキャラクターたちの解釈を行っていく。つまり、1960年代以来続く昭和期日本の高度経済成長期との相互関連、公害を表象するキャラクターたちと伝統的な自然の象徴との対照、消費と廃棄物に関する相関的な思考、自然と人間との繊細な共存、自然に関する伝統的な概念、環境に関する諸解釈と精神性、人間と自然との相互作用、国家レベルと非国家レベルの利害関係者たちに対する日本社会内部の考え、経済的清算の衝撃、開発に伴った共同体の結束における変化などである。この際の方法論は、日本において環境に関連する様々な考えを取り巻く学術的論争とテクスト分析に基づいている。第二の方法論は、以上の論点に関連する教育や執筆の経験を持つ知識人コミュニティ内の指導者や学術的専門家との口頭インタビューに基づいている。結論部分では、『千と千尋の神隠し』の受容と共に、観客が同映画の内容にどのように意識的に反応し、彼ら自身の環境テーマの理解(もしくはその拒絶)へと辿り着くか、その道筋を議論する。

  • タイトル(英語)
Spirited Away: Conceptualizing a Film-Based Case Study through Comparative Narratives of Japanese Ecological and Environmental Discourses
  • 発表年
2013年
  • 著者
  • 関連作家
  • 関連作品
  • 掲載誌
Animation: An Interdisciplinary Journal
  • 掲載誌巻号
8(2)
  • 掲載誌ページ
149-162
  • 掲載誌ウェブページ
http://anm.sagepub.com/content/8/2/149.abstract
  • DOI
10.1177/1746847713486972
  • キーワード

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