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手抜きティルト・シフト:ミニチュアビュー、グローバルな景観

近年ティルト・シフト写真撮影がデジタル技術向けに改良されたことにより、カメラが本物の風景をまるで作りもののミニチュアのようにとらえる非常に面白い目の錯覚が生まれた。これはインターバル撮影を使ってストップモーションアニメの効果を作って街をおもちゃサイズの自分たちに見立ててまとめる、手抜きティルト・シフトの動画である。この精巧に思い描き直された19世紀の絵葉書は、航空写真における20世紀初頭のイノベーションを用いてスケールを視覚的にも時間的にも大きく変えたもので、印象を驚くほど変え、視覚の新たな現象学を作り出している。ミクロ的な認識とマクロ的な認識がひとつの動画として交わることで、時間と空間に対する人の認識を近代化とグローバル化を反映した形で刺激する。本論文が述べているように、手抜きティルト・シフトは、世界主義的な意識の広がりや、ポストモダニズムによる狭い視野の減少そして世界共通のビジョンに則して文化的な境界や国境を考え直すことを一層促す国際的な視点の変化を反映している。これによって空間的視野が広がり、不思議の国のアリスのように、私たちもティルトとシフトをしながら見る人によって力強く訴える風景に一人ひとりを刻みつけ、世界との予想外の新しい関係に自分を適応できるようになる。

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