9.11以降におけるソフトボディのダイナミクス
アニメーションにおいて、建築は運動性と変容性を授けられることにより、映画的・テレビ的な空間の枠から飛び出し、現実空間の環境へと拡張されていく。建築におけるアニメーションの中核的な例は、オーステルホイス.nlが新たなワールド・トレード・センターの案として提出したものである。同じくオランダの企業NOXの類似例の路線に沿って、オーステルホイス.nlのグラウンド・ゼロは、機動性、生命感、メタモルフォーゼに対する言及を通じて、アニメーションを包括する。それが指摘するのは、現代のデザイン実践においてアニメーションという形式が卓越していること、そして、建築デザインのプロセスにおいてアニメーション・ソフトウェアが遍在的に用いられているということである。グラウンド・ゼロが同時に明らかにするのは、物体の世界においてソフトで脆い生身をめぐる、9/11以降の不安である。グラウンド・ゼロによる生の言説的生産に関して著者が行う分析は、我々の空間的想像力やフォルムについての政治学における大きな変化をマッピングすることとなるだろう。