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純粋感覚?抽象映画からデジタル・イメージへ

この論文は感覚sensationとしての映画についての研究である。それが提供するのは、抽象映画の実践に対する新たなアプローチであり、抽象映画は純粋感覚という概念を包括しうるということである。抽象映画は純粋に構造的かつコンセプチュアルなものとしては解釈すべきではない。著者が論じるのは、感覚としての映画は、そもそもの始まりから映画の本質の一部でありつづけていた。本稿の議論は、感覚としての映画が映画史の重要な瞬間に存在しつづけてきたという観点から抽象映画の歴史を書き直す。そのうえで、感覚としての映画という概念は、純粋なエンターテイメントとしての映画/視覚効果とは一致せず、批評的な断絶として理解されるべきだと論じる。この批評的な断絶は、ヴァルター・ベンヤミンが、新たに生まれたこの映画芸術が持ちうる美学的意図として正当化する際の根拠であった知覚上の衝撃・知覚上のトラウマという概念において理論的に正当化しうるものである。

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