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"オバケ"のめぐる知覚心理学的研究法の提案

アニメーションにおいて”オバケ”という技法はキャラクターの動きをスムーズまたは切れ味よく見せるために職人技として活用されてきた。心理学的には、仮現運動との関係で観測しうる。オバケのかたちは動いている対象物の形態とは異なるがゆえに膨大に存在するので、この研究では直線や曲線をオバケを代表するものとして選ぶ。50名の実験参加者はコンピュータで作られ3つの段階で素早く移行する20種類の刺激を観察する。そのうち2段階目がオバケと仮現運動の要素で構成されている。この方法を使って、2種類のおばけのあいだの運動的な傾向を比較した。それによりいくつかの要因が見つかった。(1)観察者は仮現運動よりもオバケの動きを概して好む、(2)オバケは最短距離を通ることが気に入られるとかぎらず、それは仮現運動の特徴とは異なっている。これらの要素が示すのは、オバケの役割は運動の意味に深く関わっていることだ。これらの事実が示すのは、オバケの機能が運動の意味に密接に関わっているということであり、オバケは運動の知覚の文献のなかでの線運動錯視とも関係してくるだろう。

  • タイトル(英語)
A psychological study on the function of Obake, shortly inserted figures between two different postures or positions of animation characters.
  • 発表年
2007年
  • 著者
  • 掲載誌
アニメーション研究
  • 掲載誌巻号
8(1)
  • 掲載誌ページ
19-28
  • 掲載誌ウェブページ
https://www.jsas.net/index_JJAS.html
  • キーワード

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