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アニメーションと映画の隠された系譜学

本稿は、映画がアニメーションという大きな統一体のサブカテゴリーだとする、広く共有されている見解に異議を唱える。「アニメーション」という言葉の語源を調べると、同単語がどのようにして二つの意味(一つは、命を与える、もしくは生き物になるという意味、もう一つは、動く、もしくは動かされるという意味)を獲得したのかが分かる。映画を取り巻く交易と専門的な言説において、「アニメーション」は、1910年代初頭まで、シングルフレーム・シネマトグラフィ、もしくはその手法を用いた映画の分類を指示していなかった。アニメーションが映画の先祖だという系統学的な主張は、上記の二つの意味の偶然の一致を利用したものでしかなく、そのアプローチは、映画形式、ジャンル、社会的実践としてアニメーションをより広く理解することから人を遠ざける。このような推論がもたらす否定的な結果の一つは、いわゆる「映画以前」の光学的な玩具の様々な特徴が、後に登場した映画とのつながりにおいてのみ評価され、独自のものとしては研究されえない可能性があるということだ。

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