視覚像としてのアニメーション
視覚イメージとしてのアニメーションの特性は、絵画、写真、映画の特性と比較することで、次のように議論がなされてきた。1)アニメーションによって創出された運動知覚は、個人の意図によって、さらには単純な幾何学的物体においても、動的・生物学的・社会的生き物の印象を直接に与える。2)西洋画、写真、映画と比較される際アニメーションの重要な特性の一つとして線型遠近法からの自立が指摘された。この点から日本アニメーションはアジア芸術の伝統を受け継いできたのである。3)視覚的注意には心理学的限界があるが故に、フル・アニメーションは必須とは考えられなかった。4)色、形、動きからもたらされる感情的印象の文化横断的な一般性は、アニメーションの国際性における背景の一つとして議論された。