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『ベオオルフ』——デジタルモンスター映画

モーションキャプチャの技術を用いた最新の映画『ベオウルフ』(ロバート・ゼメキス監督)は、モンスターたちを倒して行く英雄の旅についての物語である。この論文は、『ベオウルフ』においてモンスター性が果たす主題的役割だけでなく、モーションキャプチャやCGIを通じたこの映画の構築そのものがモンスター的なものとして理解できるのではないか、ということを語る。つまり、ドゥルーズの『シネマ2 時間イメージ』(1989[1985])に沿って言えば、『ベオウルフ』は、モンタージュからモントラージュへとシフトした映画、見せる映画の典型として理解できるということである。著者は、『ベオウルフ』におけるモンスター性の美学を分析しつつ、この映画におけるモーションキャプチャを用いたシンセスピアン、つまりヴァーチャル俳優のパフォーマンスが、アンリ・ベルクソンの笑いの理論(1912[1900])——人間が機械化された人間を笑う――におけるコミカルなものとしても如何に理解されうるかを考察する。

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