認知アニメーション理論:プロセスをもとにしたアニメーションの読解と人間の認識
本論文では、プロセス哲学の観点からアニメーションと人間の認識の考察を行い、アニメーションのプロセスと人間の認識イメージのプロセスの間にあるいくつかの共通点を明確にしている。そのなかで、今までになかったアニメーションの認知論を示唆しているが、これは鑑賞した映画に対する認知的反応のみを扱う傾向がある多くの映画論に関する文献とは大きく異なっている。その代わり、本理論では、認知イメージの利用に関する考察を合わせることによってアニメーションを他の媒体とはかなり離れた場所に位置づけることができるプロセス哲学をもとにした考え方をいくつも取り上げている。まず、アニメーションという形式においても人間の認識においても動きやイメージははっきりと識別されたものだと認識すべきだと提言する。次に、アニメーションと認識イメージは、独自の一連のプロセスのサインとなってより素晴らしい創造的・認識様態的可能性を促進するたくさんの層から構成されていると示している。そして最後に、音響の影響や相対的な変容の使用の考察を行なっている。