アニメーションにおける音と動きの表現――『鉄腕アトム』を中心に
日本のアニメーション史を振り返ってみると、日本のアニメーションは2つのタイプに分けることができる。キャラクターが動くものと、動かないものである。後者のほとんどが起源とするのは「鉄腕アトム」のテレビアニメーションシリーズで、1963年に初公開された。このアニメーションの特徴のひとつは、キャラクターのアクションによって動きが作られず、効果的なカメラの働きや編集を通じて生み出されることである。この論文の主な目的は、セリフや音楽、効果音といったもののテレビシリーズにおける要素の考察である。