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アニメーションと映像をめぐる問い―アニメ、アニメーション、アニメイティング―

日本のアニメにおいてはしばしば、『アキラ』や『となりのトトロ』にみられるように、人物と背景の区分けが溶解するかのごとく、画面一体となった運動の形態ないし形態の運動が呈示される。こうした物質化されたイメージを可能にした仕組みを明らかにするには、日本の視覚文化が写真等の西洋近代の光学装置をどのように受け入れたのかを考える必要がある。江戸末期には、歌舞伎の身体所作、浮世絵の身体イメージ、覗きからくり、戯作本、写真装置が濃密に応接し絡み合っているトランスメディア環境が存在し、言語とイメージが交差し合いながら、演じる行為と観る行為、読む行為と発話する行為に生命を吹き込み、情動や感情を触発させていた。まさしくそれはアニメイトするイメージ実践である。こうしたアニメイトする映像の系譜こそがアニメの土壌の一つであり、またアニメーションと映像を考察するに必要なものなのである。

  • タイトル(英語)
Inquiries around Animation and Moving Image: Anime, Animation and Animating.
  • 発表年
2017年
  • 著者
  • 関連作品
  • 掲載誌
アニメーション研究
  • 掲載誌巻号
18(2)
  • 掲載誌ページ
43232
  • 掲載誌ウェブページ
https://www.jsas.net/index_JJAS.html
  • キーワード
  • カテゴリ

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