サブアニメーション――ヴェリーナ・ファーデルによる出口丈人、山村浩二との対話
この論文は、アニメーションの実践と理論における二つの注目すべき声、出口丈人と山村浩二との対話である。東京で行なわれたこの対話は、脱中心化を通じた拡張という概念を、アニメーションの主題およびそれが語られる場所という二つの観点から追うことになる。脱中心化は、同世代の(アニメーションも含む)芸術作品に対する我々の理解が、社会政治的な背景の変容や拡張を通じていかに形成、解体、再構築されているのかという観点から考察される。アニメの分野におけるレイヤーの進化を理解するため、複雑さとハイブリッド性に言及しつつ、出口氏と山村氏との対話は、とりわけ実験作品の地位、社会変化、制度的なもの、非=歴史(不完全な歴史の理解の表明)などをめぐる質疑応答となっている。実験と時代的破裂とのあいだの、社会、制度、伝統的意見におけるドローイングとその変容中の状況とのあいだの、もしくは社会的情緒とアニメーション固有の質とのあいだのつながりが見出される。この記事を締める対話の結論には、将来的な研究テーマを新たに切り開いていくのに価値ある意見が含まれていることだろう。