誰か自身の映画——現代の若手女性作家によるアニメーション自画像
この論文は、アニメーションの分野において目立つ活躍をするようになってきた現代の若い女性のアニメーションによる自画像を分析し、その新たな世代と先行する世代とのあいだの大きな違いを明確にする。過去の世代の女性作家たちは、アニメーションによる自画像を通じて、女性そして作家としての自らのアイデンティティを探りつつ、アニメーション映画の初期より存在してきたサブジャンルのための新たな言説とモデルを発展させてきた。しかし、新世代のアニメーションによる自画像はドキュメンタリーに接近し、より普遍的な関心事を扱うことで、これまで以上の広い観客にアピールし、劇場公開の機会を得ている。マルジャン・サトラピの長編アニメーション『ペルセポリス』(2007)はまさにこの例であり、この論文の中心となる。