不在、過剰、認識論的拡張——ドキュメンタリー・アニメーション研究への枠組みに向けて
この論文は、ドキュメンタリー・アニメーションの歴史を、ドキュメンタリー・アニメーションという形式そのものと、それがいかに研究されてきたのかという両面から概略し、ドキュメンタリー・アニメーションについて考えるための新たな方法論を提示する。その際、アニメーションでしか可能ではない、実写という他の選択肢ではなしえないものは何かを問いつつ、それがテクストのなかでどう機能するかについて考える。結果、模倣的代替、非模倣的代替、喚起、という三つの機能が示唆されるだろう。著者は、このような方法でドキュメンタリー・アニメーションについて考えることで、実写が排除せざるをえなかった主題へのアプローチを切り開くゆえに、アニメーションはドキュメンタリーの認識論的課題を拡張し深めるということを示唆する。
この論文が含まれるリスト
アニメーション・ドキュメンタリーについて我々がどのように考えるべきかについての概要を提供する(私による)記事。アニメーション・ドキュメンタリーをいくつかの異なるグループに分けるやり方を試した。