見せかけのアニメ映画のデジタル人間の特徴付け:オンラインソースを用いた定性的調査
3つのオンライン・レビューア・アグリゲータサイト(インターネットムービーデータベース、ロッテン・トマト、メタクリティック)からのユーザーのコメントをサンプリングすることにより、デジタル人間様のキャラクターを特徴とする映画のレビューに関する定性的な調査が行われた。分析のために選んだ映画は、ファイナルファンタジー:スピリッツウィズイン(監督:坂口博信と榊原幹典、2001)、ポーラーエクスプレス(ロバート・ゼメキス、2004)、ベオウルフ(ロバート・ゼメキス、すべて、CGIアニメーションを使用して制作され、これは、ボブ・サビストンのロトショップソフトウェアを使ってロトスコープで描かれたスキャナー・ダークリー(監督:リチャード・リンクレイター、2006)と一緒に作られている。著者の分析は、特にCGIを用いて作成された人間のようなキャラクター(CGI-人間)の不確実な存在論に関連して、視覚経験における個人差を識別した。彼らは、本物とCGI-人間の俳優を区別することができないことを示すレビューの例を見出した。つまり、自身の人工体に戻る前に一時的にリアリズムを見せるキャラクターや不気味であると見なされるキャラクター(狂気の谷に類似)の観察で、このように、この現象に対する複雑で動的な反応を示している。いくつかの状況では、キャラクターの薄気味悪さは、目の動きなどの典型的でない特徴の存在に関連していた。特にベオウルフの場合、何人かのレヴューアーがキャラクターをリアルまたはアニメーションのいずれかに分類することは困難であると述べているが、CGI-人間キャラクタを演じる俳優を良く知っている場合、認識がより問題になった。CGI-人間の動作は、社会的交流の欠如、またはその不適切さによっても特徴づけられた。オンラインレヴューアーはロトショップ(ロトショップ・ヒューマンズ)を使って描かれたキャラクターを不気味なものとして認識しなかった。ロトスコピングでは、アニメーションの素材として使用された実写映画から記録された俳優間の自然な社会的交流を維持し、場合によってはそれを強化できることが判明した。著者らの調査では、これらの映画を見るためのユーザの動機、およびCGIフィルムを見る際レヴューアーの提出したディスプレー形式の重要性が明らかになった。彼らは、ウォルトンの実証理論(見せかけとしての模倣:表現芸術の基盤について、1990年)に関連して、これらの知見の解釈を明らかにしている。