『風の谷のナウシカ』における宮崎駿と 久石譲の出会い――映画音楽の生成
1984年にリリースされた『風の谷のナウシカ』は、久石譲が作曲を担当した初の宮崎駿作品であり、両者の関係はそれ以来20年以上にわたって続いている。両者が出会ったのはアニメブームの時代、映画、音楽、本を同時に市場に出す販売戦略が流行していた頃である。久石は、宮崎に見せられたイメージ画をもとに「イメージレコード」を作った。このレコードは宮崎の想像力を掻き立てた。彼らにとって、創造を行ううえでの幸福な恊働効果であった。とりわけ、若いナウシカの声と「風の伝説」はこのアニメーション作品の構造を特定するのに役割を果たした。プロデューサー高畑勲は作曲に対して大きく貢献した。音楽に無関心だった宮崎のかわりに、映画全体に完璧にフィットする音楽を選び、デザインしたのだ。