アメリカとソヴィエトのアニメーション・シリーズにおける暴力、チェイス、身体の構築
この論文で考察するのは、アニメーション映画における暴力ものである。アニメーション映画製作(アメリカ合衆国とソヴィエト連邦における)の経済的・社会的な文脈は、キャラクターの身体の構築およびダイナミクスとつながっている。チェイスもののアニメーション・シリーズの分析によって著者が示唆するのは、アニメーション化された身体の流動性と可変性に帰着する暴力は、アニメーション映画に固有の特質が表明されたものであり、機能の側面からは、セルゲイ・エイゼンシュテインが言うところの原形質性と似通っているということだ。この特徴は、アニメーション・キャラクターが人間化されるとき、アニメーション映画から消失する。