スケールなしのエコロジー:ワールドズームを忘れる
様々な要素が含まれる「スケール」は、地理学から生態学、哲学から科学技術の研究まで様々な専門分野の範囲で激しく議論される用語である。問題の核心はその存在論的な状況とトポロジー的な性質をめぐる論争にある。スケールとは映画 「Powers of Ten(10のべき乗)」 やグーグルアースのようにズームイン、ズームアウトしてあちこち検索できる秩序正しい完全性だと思われることが多い。そのような可視化モードは、地球上全体の意識に形を与えるだけでなく、著者が言うところの「ワールドズームの時代」において偵察行為や戦争を可能にする。スケール的な考えを全て拒否することを求める地理学者がいるのに対し、著者はスケールという従来の落とし穴に陥らずに存在物の相互関係を概念化することについて、いかにオブジェクト指向のオントロジー(OOO)とアクター・ネットワーク理論(ANT)が新たな洞察を提示することができるかを示している。これらのアプローチは、「スケールなしのエコロジー」またはスケールという概念を超えた相互関連性を考える基礎を作る。