大ヒットアニメで語る心理学 「感情の谷」から解き明かす日本アニメの特質
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アニメの主人公たちは、激情の末に無意識の世界に落ち込み、そこでその無意識世界に外部から入り込んできた援助者に出会うことによって、覚醒し、より大きな人格的な発達を示すという「感情の谷」理論を展開した。
アニメの主人公たちは、激情の末に無意識の世界に落ち込み、そこでその無意識世界に外部から入り込んできた援助者に出会うことによって、覚醒し、より大きな人格的な発達を示すという「感情の谷」理論を展開した。
戦前は今村太平の『漫画映画論』が唯一のアニメーションの文献だったが、最近は読むべき文献も増えた。資料的よりも筆者が時に興味深く読んだ文献を推薦させてもらった。選んだ10冊のほかにもL.マルティンの『マウス・アンド・マジック(上下)』や森卓也の『定本アニメーションのギャグ世界』なども忘れられない文献だった。筆者と共著の『日本アニメーション映画史』を自薦するのはおこがましいが、アメリカ議会図書館が同書を購入してくれたのは誇り。
日大心理学教授の横田は心理学の見地からヒットアニメを分析。『君の名は。』『この世界の片隅に』『アナと雪の女王』などの他に故・高畑勲の『太陽の王子 ホルスの大冒険』の難解な「迷いの森」の場面を心理学の立場から解明した。