アニメーションにおける「歩き」表現の検討
本研究の目的は、アニメーションにおける「歩き」表現の調査である。アニメーションにおいて人間および人間以外の形による「歩き」の印象について20名の被験者が評定を行った。因子分析の結果は、野村・横田(1993)が発見した軽快-鈍重因子と自然-非自然因子を明らかにした。アニメーション化された形と人間は、有効因子得点によって、両因子軸からなる二次元の空間上に布置された。それらは4グループに分類され、動きの特徴によって、人間の動作を含む「トロット(ファスト・ステップ)」、「牛歩」、「ファスト・モーション」、「スロー・モーション」と名づけられた。前者の2グループと後者の2グループは、それぞれ現実に起こりうる歩行動作と起りえない歩行動作の印象を与える。