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アニメーション・映像の美学的研究のための12の専門文献

キム・ジュニアン

アニメーションという映像形式/メディアならではの魅力と、そのメカニズムは何だろう?という疑問に対し様々なヒントが得られる。

Lev Manovich, The Language of New Media, The MIT Press, 2001

デジタル時代に映画はアニメーションに戻る、映画-目は映画-筆に交替される、といった趣旨の本書は、メディアとしてのアニメーションを再検討するに有効。特に第6章「映画とは何か?」はお勧め。和訳版あり(レフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語 デジタル時代のアート、デザイン、映画』(みすず書房、2013年))。

キム・ジュニアン
新潟大学人文学部准教授

新潟大学人文学部准教授。著書に『イメージの帝国』ほか。日本アニメーション学会機関誌編集委員会委員長、学術誌Animation: An Interdisciplinary Journal (Sage)のアソシエート・エディター。

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「戦い」は、アニメーション作品において最もポピュラーな題材であるが、それについて論じることは難しい。その理由の一つとして、「戦い」は、個人の欲望や共同体の成立根拠、時代の思潮といった様々な要因の混迷の中から発生するものだから、ということがあげられよう。本リストは、その混迷に対し何らかのアプローチとなりうる文献を選んだものである。掲載順は、その文献が題材としている作品の発表年を基準として決定した。