津堅信之『アニメ作家としての手塚治虫 その軌跡と本質』(NTT出版、2007年)
手塚治虫の『鉄腕アトム』は「戦い」を題材としたアニメーションの起点の一つ。日本のアニメーションにとって、『鉄腕アトム』とは何だったのかを多様な視点から論じた著作。
今柊二『プラモデル進化論 ゼロ戦からPGガンダムまで』(イースト・プレス、2000年)
模型の歴史についての本。アニメーションに大きな影響を与えている「リアル」の観念、そしてミリタリー趣味を理解するために。
ササキバラ・ゴウ『〈美少女〉の現代史 「萌え」とキャラクター』(講談社、2004年)
美少女キャラクターを愛好するという「男性の行動」に着目して70年代以後のマンガ・アニメーションの歩みを語る。戦い続ける主人公たちにとって、ヒロインとは何であるのか、という問題に対する一つの答えを提示した。
吉本隆明『夏を越した映画』(潮出版、1987年)
『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』etc. アニメブームの中で、「戦い」を題材としたアニメーション作品は大きく変化した。その変化の意味について語る同時代評。
『OUT』1980年4月号(第4巻4号)、みのり書房
『機動戦士ガンダム』について「識者」たちが様々な意見を述べた「ガンダム特集」。『ガンダム』とは何かを考えるにあたり本特集は無視できない。富野由悠季に与えた影響も大きい。
斎藤美奈子『紅一点論 ―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像―』(ちくま文庫、2001年、初出:ビレッジセンター出版局、1998年)
「戦い」を題材としたアニメーション作品の中で、女性キャラクターに与えられた位置づけについて語る。その指摘は戯画化されてはいるが的確。
五十嵐太郎編『エヴァンゲリオン快楽原則』(第三書館、1997年)
『新世紀エヴァンゲリオン』についての同時代評を一覧できる便利な本。
加藤レイズナ他『プリキュア シンドローム!〈プリキュア5〉を生んだ25人』(幻冬舎、2012年)
プリキュア好きのプリキュア好きによるプリキュア好きのためのインタビュー集。美少女戦士ものは何を目指しているのかを探るための資料に。
田中桂『オリジナル美少女ゲームのキャラクターが描ける絵師事典』(ソフトバンク クリエイティブ、2011年)
近年増加しているキャラクター制作に特化した技法書の一つ。しかし、本冊は、美少女キャラクターが持つ魅力の源泉を言語化する試みをしている点で、他の本と一線を画している。
アニメーションそのものについての記述は少ないが、本書が提示する「傷つく身体」の議論は、アニメーションの中の「戦い」を考える上で必要不可欠だといえよう。