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不在、過剰、認識論的拡張——ドキュメンタリー・アニメーション研究への枠組みに向けて

この論文は、ドキュメンタリー・アニメーションの歴史を、ドキュメンタリー・アニメーションという形式そのものと、それがいかに研究されてきたのかという両面から概略し、ドキュメンタリー・アニメーションについて考えるための新たな方法論を提示する。その際、アニメーションでしか可能ではない、実写という他の選択肢ではなしえないものは何かを問いつつ、それがテクストのなかでどう機能するかについて考える。結果、模倣的代替、非模倣的代替、喚起、という三つの機能が示唆されるだろう。著者は、このような方法でドキュメンタリー・アニメーションについて考えることで、実写が排除せざるをえなかった主題へのアプローチを切り開くゆえに、アニメーションはドキュメンタリーの認識論的課題を拡張し深めるということを示唆する。

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アニメーション・ドキュメンタリーについて(アニメーションや映画、ドキュメンタリーの研究者によって)文章が書かれはじめたのは1990年代後半のことである。それらの多くは、アニメーション・ドキュメンタリーというものの存在自体に注意を向け、ドキュメンタリーとは何かということについてこれまで存在していた考え方に対し、どのようにフィットするかについて議論するものだった。その後10年が経ち、学者たちが再びアニメーション・ドキュメンタリーに興味を持ちはじめ、この題材についての本、記事、記述は増大した。将来、アニメーション・ドキュメンタリーをめぐる言説が新たな観点によって発展していく兆しであることを願うばかりである

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