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境界の宇宙――ヤン・シュヴァンクマイエルの『フード』におけるピクシレーション化されたパフォーマンス

チェコの超現実主義映画作家ヤン・シュヴァンクマイエルは、葉、壁の表面、靴下、釘、生肉といったものをアニメートすることで知られているが、生命のない物体にとどまらず、ピクシレーションという手法を通して生身の俳優をもアニメートする。本稿は、1992年の短編『フード』におけるピクシレーションを用いた俳優のパフォーマンスについて考察する。同作品は俳優という仲介者と、アニメーターという仲介者との間で一種の弁証法を構築する。本稿における筆者の主張は、シュヴァンクマイエルが人間の仲介者に限界を設定し、また、我々の身体の境界が我々の予想以上に浸透可能であると提案しつつ、身体に基づく自律性の土台を侵食するということだ。

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