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更新履歴

  • 2022年3月14日

    『アニメーション研究』第20巻第2号、第21巻第1、2号と、『Animation: An Interdisciplinary Journal』第14巻第3号から第16巻第3号の論文情報を追加。

  • 2020年2月14日

    トップページに検索窓と更新履歴の設置。『アニメーション研究』第20巻第1号と、『Animation: An Interdisciplinary Journal』第14巻第1号、第2号の論文情報を追加。4件の推薦文献リストとそれに伴う新規文献の追加。

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「そうだね、確かにそんな風に見える……」――『モダン・トス』における「実写」の宇宙、単純化された具像デザイン、そしてコンピュータアニメーション

この論文が論じるのは、チャンネル4のテレビ番組『モダン・トス』の形式的側面である。ミニマルな映像とダイアローグを用いるこの番組は、ある範囲のキャラクターたちが社会的犯行の縮小模型となりうる過程を見せる。ここで興味を引くのは、事前に撮影された背景や俳優との共謀の中で、抽象された具像的なデザインを意図的に枠にはめて用いるアニメーション形式への高度に特徴的なアプローチである。あらかじめ了解済みの宇宙内にフラッシュを用いたコンピュータの形状を配置する特別なやり方は、第一に、この番組のユーモラスさの領域に関連する「距離」の感覚をもたらす。第二に、ナラティブそのものに内在する宿命を補い、第三に、この番組を、同様のコンセプトに特有の美的刻印がある原作のグラフィック/ウェブ・カートゥーンの系譜に並べるのである。

東映動画の誕生に到る経緯とその歴史的背景

本稿の目的は、映画史的な観点から東映動画(1956年設立し後に東映アニメーションへ改名)に関する分析を行うことである。本稿は、序論、10章の本論、結論を含む全12章からなっている。序論では東映動画の設立に関わるデータを摘示し、東映動画と日動社との関係を記述することで、そこからもたらされた問題を提起する。次の本論では、東映動画の親会社であり同社より5年前に設立された東映が戦後の日本映画において果たした役割に言及し、さらに東映の前身である東横映画が日本映画史において果たした役割を議論する。特に、他の映画社とは違って東横映画は開発部署を設けていたことに焦点を当てる。東横映画の開発部署における初期の主な業務は巡回上映だったが、後に16ミリ教育映画の制作・配給・上映へと拡大し、その中にはアニメーション映画も含まれていた。それらの短編アニメーションが東映の社長である大川氏の主導で東映動画へつながったのである。データを提示しつつ、その過程を検証する。東横映画の設立の基礎になったのは、実は、戦後映画産業に関する根岸の再編成構想であった。根岸の狙いは、旧満映のスタッフに映画業界内で落着き先を提供するための映画社を設立することだった。それは、旧満映の制作体制が東横映画および東映を通し東映動画へ移転されたということを示唆する。歴史家にとって重要なのは、自らの歴史記述を検証する際、生の資料や情報源を用いることである。しかし本稿における歴史記述の検証においては重要なおくつかの記録が失われており、用いられた記録やデータに関しては筆者の誤読の可能性がある。従って、さらなる研究を促す試験的な仮説として本稿を読まれたい。

川本喜八郎アニメーションの人形に関する心理学的検討

川本喜八郎はアニメーション作家および人形作家の巨匠として世界に知られている。この研究は、彼の人形の顔に現れる相貌的・性格的特徴について、日本の伝統芸能である能と文楽との比較によって調査する評定者は川本の人形の表情を含む15の評定刺激を評価し、能の仮面や文楽の人形の顔を42の項目で評価する。要素分析は相貌的特徴について5つの要因を見せ、性格的分析について3つの要因を見せる。さらなる分析では、川本の人形の顔、能の仮面、文楽の人形の顔の比較をそれぞれの要因において行う。その結果は、共通点と相違点を見せる。それが示すのは、川本の人形は日本の伝統演劇から影響を受けているということであり、川本は、アニメーションと人形劇で人形を分けて作っているということである。

推薦文献リスト・ピックアップ

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「絵の動かしかたが学べる教本リスト欲しい」アニメーションを教えていると、このような質問をしばしば受ける。そこで、実践知につながる参考文献リストを作成した。選者は、30年以上にわたる制作経験から本リストを呈示したが、これらの資料を、「みる」「わかる」「つかえる」という各学習段階で活用することで、「動かすこと」に関する実践知が身につき、学習者の創作活動にとって有用な土壌となることを希望している。

アニメライターと銘打ったが、要はTV・映画といったメジャー流通系アニメ(いわゆる“商業アニメ”)の歴史と制作技術を手っ取り早く押さえる11冊という趣旨である。作品個別のムック、雑誌などにも見逃せない記事は多いが、あくまで基本が理解出来る本ということでセレクトした。

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