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アニメの実践知を知るための10の文献

数井浩子

「絵の動かしかたが学べる教本リスト欲しい」アニメーションを教えていると、このような質問をしばしば受ける。そこで、実践知につながる参考文献リストを作成した。選者は、30年以上にわたる制作経験から本リストを呈示したが、これらの資料を、「みる」「わかる」「つかえる」という各学習段階で活用することで、「動かすこと」に関する実践知が身につき、学習者の創作活動にとって有用な土壌となることを希望している。

ロールセラ、ミッシェル『モルフォ人体デッサン 形態学による人体を描くための新テクニック』(グラフィック社、2014)

本資料は、生物学の一分野である形態学を用い、骨格や筋肉組織、解剖ディテールなどから人体を観察する方法を呈示している。表紙裏の「骨格と筋肉の名称一覧表」を開きながら本書を模写することによって、自然と人体構造を覚えられる有用な一冊である。

リチャード・ガーベイ=ウィリアムズ『ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 構図の法則』(日経ナショナルジオグラフィック社、2017)

素晴らしい「動き」は、効果的な画面構成と一緒になってはじめて、「美しい動き」になる。本資料は、それぞれの画がなぜ美しく感じるのか、単なる勘やコツとしてではなく、認知心理学的・芸術理論的に分析がなされている。

数井浩子