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2Dアニメにおける押井守のマルチ・レイヤー空間の制作

本稿は、日本の空間的装置であるレイヤリングのことを明らかにする。西洋の遠近法とは対照的に、レイヤリングは、2次元のイメージを重ねることにより輪郭と共に深みを生み出す。3つのレイヤーに関する押井守自身の理論化を通じて、筆者は、伝統的な木版画とアニメにおけるレイヤリングの応用を調査し、芸術形式としての書道からレイヤリングが派生したことを考察する。本稿が提出する見解において、アニメのレイヤリング・システムは、統一された遠近画とは異なり、複数の異なる作画スタイルを重ねることを可能にする。さらに、押井監督の映画を通して、視覚的・聴覚的交換における彼の実験と、アニメにおける間、ポーズ、休止という概念の時間的応用を探究する。そして最終的に目指すのは、時間的・空間的経験の一場所であるアニメを検討することで、間とレイヤリングという概念を追求することである。間の時間的・空間的概念に関しては、仮名と漢字を組み合わせる日本の文字言語によって生み出されたと推測される。

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