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不動の断片、そしてシリーズを超える運動――鉄腕アトムとアニメの出現

本稿は、最初のテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』に細心の注意を払いながら、映画とアニメーションにおける異なる運動の経済学を対比させ、日本のアニメに付随する運動とリビドー的な投資との特異な経済学を探究する。メッツとリオタールは、映画は映画独特の運動経済学を通してリアリティの印象を生み出すと主張するが、セル・アニメーションはそれとは別の運動経済学に依拠する。特に、日本のアニメに見られる特殊な種類のリミテッド・アニメーションの場合がそうである。本稿は、この種のアニメーションが(とりわけ静止を強調する際に)つくりだす運動の特徴と、没入を著しく促すイメージ環境(今日「アニメ」と知られているもののための舞台を設定した環境)を生み出すため、『鉄腕アトム』が商品のシリーズ化へと依拠していった方法に焦点を絞る。

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