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ショット長における宮崎、押井、細田のスタイル――定量分析

グループで制作されるアニメーション映画において、一人の監督は、自らの映画スタイルをどのように表現しうるのか?このような問題への言及のため、筆者二人は、宮崎駿、押井守、細田守、以上3名の監督による日本のアニメーション映画22本のショット長を分析した。我々の分析は、ショット長の統計学的測定が明確にその監督たちに拠ることを明らかにした。宮崎の映画の分析は、彼が長めのショットと短いショットを両方ともに避けることを示す。押井のショット長は平均的に長い傾向にあるが、細田は比較的短いショットを好む。さらに押井と細田それぞれにおいて、統計学的な指数の側面から二人の第1作と後続の作品との間には大きな違いがあることが分かった。それは、彼らがその第1作目の監督もしくは第2作目の監督を務めているうちに、ショット長におけるスタイルを確立させたことを示唆する。筆者たちは、この三人の監督が、ショット長の数値の決定にとって重要なプロセスである絵コンテの作業を通じて、映画のショットをコントロールしていたと結論する。映画内のショット長に、絵コンテ段階のものとの関連が見られるからだ。

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