菊とポケモンーグローバル化する日本の文化力
今や「日本的」であることが「かっこいい」。米国ではアメリカ人が日本風アニメやマンガを作って売るご時勢だ。そんな超現象のさきがけとなったゴジラ、鉄腕アトム、パワーレンジャー、セーラームーン、たまごっちにポケットモンスター。気鋭の文化人類学者がその波瀾の航跡をたどる。『菊と刀』を凌駕する、新世紀日本論。
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アメリカの人類学者の著者による視聴者分析の章「パワーレンジャー(スーパー戦隊)」「セーラームーン」については、オーディエンス研究の参考になる。英語オリジナル版も必読。
アン・アリスン(Anne Alison)は、この分野での最も野心的な研究の1つであるこの本のなかで、日本のメディアおよびおもちゃの位置付けをグローバルなレベルで探ろうと試みている。厳密にいえばファンに焦点を当てているわけではないが、物質的および精神的な関係への洞察を多く含んでいる。特筆すべき貢献としては、「millennial monsters」、「techno-animism」、「techno-intimacy」の章が挙げられる。