聖地の想像力―なぜ人は聖地をめざすのか
聖地とは何か?エルサレムやメッカ、古代の神殿、奈良、サンティアゴ巡礼等の考察を経て明らかになる、聖地という特別な空間の全貌。宗教や文明が盛衰する中で、聖地は古来より不動のまま、無数の人々から巡礼の対象とされてきた。エルサレムは現在も複数の宗教の聖地であり、メッカはイスラム教成立以前から聖地として機能していた。なぜ聖地は動かないのだろうか。その深層には何があるのか。サンティアゴ・デ・コンポステラ、日本の奈良、ギリシャの神殿をはじめ、関連する様々な事象を考察しつつ、聖地という空間がどのような存在なのかを明らかにする。
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宗教人類学者による聖地論。神話や宗教の事例を取り上げつつ、「聖地には世界軸が貫通しており、記憶装置として機能する」との論を展開するなど、アニメ聖地研究にも応用可能な視座を多く提示している。