点図形が与える感情効果――左右の動き方向の差異による印象の違い
スクリーン上の運動の主観的効果については、美学者およびアニメーターたちが言及を行ってきた。この研究では、左から右、もしくは右から左へと動く点についての観察者の印象を、SD法(意味差判別法)を用いて経験的に調査し、その結果を統計的に分析する。因子分析は、三つの因子を用いる――活動性、評価、なめらかさ。分散分析は、活動性と評価において運動の方向性が大きな効果を及ぼすことを示唆する。観察者は右から左への運動を、その逆の運動よりも、たとえば両者の運動が同じパターンだったとしても、より活発であると感じる。その結果は、主観的経験に基づく美学者やアニメーターの記述を確かなものとする。