映画学 その基本的問題点
映画とは何か」という問題を,具体的に映画の歴史を通して考察した「映画学」の提唱。映画史を,映画が「映画的感性」を獲得していく過程として捉える,つまり外界の模写から外界の所有へ,という過程として捉える視点,さらには,映像を空間的には絵画と比較し,時間的には音楽と比較して分析しようとする切り口など,知的刺激にみちた「映画の哲学」である。
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映画とは何か」という問題を,具体的に映画の歴史を通して考察した「映画学」の提唱。映画史を,映画が「映画的感性」を獲得していく過程として捉える,つまり外界の模写から外界の所有へ,という過程として捉える視点,さらには,映像を空間的には絵画と比較し,時間的には音楽と比較して分析しようとする切り口など,知的刺激にみちた「映画の哲学」である。
当初「日本のアニメーション学を形成してきた10の文献」を考えたが、1980年代初めに至る黎明期に参照された文献と改めた。(1)1960年代前半迄の訳書を含む当時“古典的”位置付けのもの、(2)アニメーションプロパーが基本図書とし伝説的なF&FFなど同人の流れにあるもの、(3)実験映画・実験アニメーション、創作関連、(4)映画史・アニメーション史関連、(5)基盤の一つ映画学・映像学の文献の5グループ(+xは書名のみ)。
日本を代表する映画学者が映画学の本質を明らかにすべく映画史や映像の基本問題から考察。映画学を出発点としたアニメーション研究にとっても基本的問題が提示され、アニメーション学の構想に対しても示唆を受ける。