『POEMFIELDs』とコンピューテーショナル・スクリーンの物質性
この論文が探るのは、スタン・ヴァンダービークとケネス・ノールトンが1964年から1970年にかけて制作したコンピュータアニメーションのシリーズ「POEMFIELD」が、可視性と不可視性のあいだの領域をいかに意識的に掘りすすめつつ、絵画性、言語性、図式性を同時に持つ一連の表象へと数字と文字を引き入れたかということである。読みやすさと読みにくさの境界を滑りながら、このアニメーションのシリーズは、テクストとイメージ、コードと絵の二重のビジョンを提示しつつ、そうすることによって、機械時代の終息期におけるコンピューテーショナルな可視性について、広範かつ認識論的な問いを浮かび上がらせる。1968年のMOMAにおける展覧会の副題(「機械」)は、もはや人間の目には見ることのできない機械によるアニメーションのコンピューテーショナルなモデルが出現したことを鮮やかにしたものである。それに帰結して起こる可視性の危機は、当時探求されていたグラフィックなユーザー・インターフェース(GUI)のモデルという観点から眺められることで、特定の重要性を帯びることになる。「POEMFIELD」のシリーズにおいて、ヴァンダービークとノールトンは、その際に生起する絵画性、言語、コードのレイヤー化されたパラダイムがもつ複雑さと展望の両方を伝達し伝えようと試みているのである。