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プロダクトデザイン操作文化としてのCGアニメーション、もしくは売場へ、レジへ、さらに向こう側へ進むバズ・ライトイヤー!

映画的なイメージと工業商品との関係性は、20世紀の間、多くのプロダクトプレイスメント研究の主題であった。本稿は、現代のコンピュータによる遠近法とレンダリングの自動化が、映画的なイメージと製造品との関係性に対して広範囲に渡って影響を与えると主張する。ルネサンス遠近法の出現はイメージと対象とのあいだに新たな関係性を構造化し、そのどちらもが幾何学的・数学的正確さで視覚的に再現され得ることを目指し合理化された。このことを出発点とした現代のコンピュータジェネレーテッド(CG)アニメーションは、ルネサンス遠近法の「視覚的唯名論」を更新するわけだが、一つの決定的な違いがある。つまりコンピュータアニメーションは、遠近法的なイメージに時間という第4の次元を加えるのである。これは、ルネサンスの手描きによるイメージ作業や、機械的に再生産された映画とも質的に異なるイメージ形式を促進し、なおかつ、それらの代わりに、手描きであると同時に機械的に再生産されたイメージ形式を促進する。このような違いが持つ意味合いが、現代の長編CGアニメーション映画の詳細な分析を通して探究される。その試みは、映画的なイメージ作業と消費文化における将来の発展を理解するに多くのことを提供するだろう。おそらくもっとも重要なこととして、CG長編を主な舞台にする物体とキャラクターたちは、工業製品デザイン工学における現代の実践(「プロダクトプレイスメント」を今日的に理解するための相当の含意を持つ発展)に総体的に関連する。画面上のすべてのものが、文字通り、産業的に製造され用意周到に配置された製品であるとき、映画に関する伝統的な諸理論、広告、消費文化は三角法で再び測定される必要がある。本稿の主張は、多くのCG長編が、映画イメージと製造品との関係性に向かって重層的なレベルでアプローチすることを要求するということである。

  • タイトル(英語)
Computer Generated Animation as Product Design Engineered Culture, or Buzz Lightyear to the Sales Floor, to the Checkout and Beyond!
  • 発表年
2012年
  • 著者
  • 掲載誌
Animation: An Interdisciplinary Journal
  • 掲載誌巻号
7(2)
  • 掲載誌ページ
131-149
  • 掲載誌ウェブページ
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1746847712438133
  • DOI
10.1177/1746847712438133
  • キーワード
  • カテゴリ

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