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リアルをアニメートする――ケース・スタディ

ドキュメンタリー映画制作における証言収集の倫理は、とりわけクロード・ランズマンの記念碑的作品『ショアー』(1985)以来、長年にわたって学術的な議論の主題となっている。一方、潜在的に映画の主人公になりうる人物が自らの物語を語ろうとするとき、なんらかの原因によって語りえない場合がある。トラウマを表象化しようとする際、言葉はそれを失敗することがあるからだ。この論文が語るのは、その一例として、ロンドンに来た難民をテーマにしたナショナル・ジオグラフィック社のための三部作ドキュメンタリー・シリーズを作った際の著者の経験である。その際、ラカンの精神分析の概念を用いることで、このシリーズにおいてアニメーションを用いるに至った経緯について理論的な枠組みを提供する。

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