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「偽物でもかまわない」――サイバーシネマトグラフィと『シモーヌ』におけるヴァーチャル俳優の幽霊

本稿は、アンドリュー・ニコル監督のサイバーパンク・コメディ映画『シモーヌ』を考察する。この映画は、CGアニメーションで創られた俳優の開発に関するストーリーであり、往年のハリウッド監督が自らのキャリアの再出発のために、デジタル女優を本物の女優でるかのように公開すると、ファンたちは、「ものとしての少女(it girl)」が与えるその最新のトリックと快楽に取り憑かれてしまう。ヴァーチャル女優の名声はまもなく監督の名声を侵食しはじめる。しかし、監督は、当該プログラムを削除し、自分が世界に送り出した妖精ジニーを瓶の中に戻すのは不可能といえるくらい難しいことを知る。ニコルの映画は、映画的な寓話でもあり、また、ハリウッド映画におけるヴァーチャルなアクター(「ヴァクター」)の利用が映画製作者、俳優、観客にどのような影響をもたらすかという哲学的な問いでもある。

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