小学校の図画工作教科書でアニメーション題材はどのように扱われてきたか
日本の初等教育におけるアニメーション教育に関する歴史的知見の蓄積を目的として、小学校の図画工作の教科書の中でアニメーション題材がどのように扱われてきたかを調査した。計677冊の教科書から25の題材を抽出し、4つの時期に区分してその変遷を俯瞰した。本稿の通時的視点からの分析を通じ、図面工作教科書におけるアニメーション題材の発祥と、その後の変遷が明らかになった。またそれらの題材に通底するアニメーションの教育的意義には「ヴィジュアルコミュニケーション教育」としての側面と「経験主義教育」としての側面があることを示した。