アニメ女性キャラクターに見る「ジェンダー・トラブル」
本稿では、日本のテレビで人気のある女性キャラクターたちを取り上げる。彼女たちは、古いジェンダー・ステレオタイプを撹乱させるさまざまな要素を体現しているがゆえに魅力的に見える。本稿ではこのポジティヴな撹乱的要素を、(A)近代家族におけるジェンダーとセクシュアリティ、(B)文化多様性とジェンダー問題との緊張関係、(C)市民、統治、戦闘とジェンダー、(D)主体と客体の位地、といった観点から考察する。また、アニメーションは真理的に抑圧された状況にあるものに対して、肯定的な自己イメージを回復させるための「想像の場」を提供できるという理論的・実践的可能性も模索したい。