単純図形の動きが生む事象の知覚――登場する要素図形の大木さ入れ替えの効果
筆者は、Heider, F. & Simmel, M. (1944) アニメーションの簡略されたバージョンを用い、刺激シークエンスに登場する2つの要素図形のサイズ効果について調査を行った。小さな円形が先に動いたとき(小-大条件)、45名の被験者(54%)は、当該シークエンスを追跡と捉え、22名(27%)は追従と捉えた。対照的に、大きな円形が先に動いたとき(大-小条件)、28名(34%)はそれを追跡と捉え、39名(47%)は追従とし捉えた。2つの要素図形のサイズを同様にした実験2において被験者は、実験1における大-小条件に類似した反応を示した。つまり39名の被験者(37%)は当該シークエンスを追跡と捉え、49名(47%)は追従と捉えた。さらに、実験2では先行図形が後続図形に捕まる新しいシークエンスを導入した。その条件下で、52名の被験者(48%)は当該シークエンスを追跡と捉え、35名(33%)は追従と捉えた。以上の実験から、2つの要素図形の間の大きさ入れ替え効果が明らかになった。