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日本で世界初のアニメーションが公開された可能性についての考察

参考文献によると、海外から輸入され日本で公開された初のアニメーション映画は『ニッパルの変形』だった。残念ながら、その原題と内容は知られていない。筆者による調査からは、日本で上映された初のアニメーションは、1906年アメリカのヴァイタグラフ社制作によるJ.S.ブラックトンの『Humorous Phases of Funny Faces』だった可能性があることが分かった。本稿はこの問題を議論する。明治期の映画輸入業者である吉澤商店のフィルム目録が大阪のプラネット映画資料図書館に所蔵されており、その目録に記録されている『不思議のボールド』という映画の内容を見ると、世界初のアニメーションと同様である。男性と女性の顔が黒板に描かれアニメーションによって変化する同映画は、『奇妙なるボールト』という題名に変更され東京で公開された。筆者が思うに、それはブラックトンの映画のようだが、上記の目録の中に図版がなく、フィルムそのものもないわけで、残念ながら、それを証明することは不可能である。

  • タイトル(英語)
A Study of possibly the First Animation Film in the World Shown in Japan
  • 発表年
2001年
  • 著者
  • 掲載誌
アニメーション研究
  • 掲載誌巻号
3(1)
  • 掲載誌ページ
17-24
  • 掲載誌ウェブページ
https://www.jsas.net/index_JJAS.html

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