ドローイング・アニメーション
ドローイングは古典的アニメーションの「伝統的」な実践において鍵となる構成要素であって、デジタル時代への関連性の乏しさから、時に流行遅れとみなされることがある。逆に、デジタル・ツールとヴァーチャルな素材の使用は、伝統的な方法論で教育をうけたアニメーターにとってはいまだに問題含みのものとして見られている。しかしながら、現代美術の領域においては、様々なツール、プロセス、パラダイムでの実験が爆発的に拡張しつつ、時間、パフォーマンス、物質性といった問題をめぐり、ドローイングに対する関心が復活している。この論文では、ドローイング・アニメーションのプロセスと理論化について、これらの異なる実践およびツールという観点から行なう。ドローイングは、物質的な基礎と概念化という側面から考察されていく。ドローイングは、時間の経過やキャラクターのパフォーマンスを表象しうるプロセスとして探究されるが、それ自身としても、持続をともなうパフォーマティブな活動なのだ。