アニメーション研究のための
論文と書籍のデータベースサイト

This Item in English

写真の痕跡をアニメートし、ファントムとファンタスムを交差させる――コンテンポラリー・メディア・アート、デジタル・ムーヴィング・ピクチャー、そしてドキュメンタリーの「拡張した領域」

この論文が考察するのは、さまざまなプラットフォームにおける現代のメディア作品が、デジタル上で作られた運動によって写真をアニメートすることにより、写真に刻印されたリアリティについて新たな外観をもたらしているという点である。これらの作品は、著者が呼ぶところのデジタル・ムーヴィング・ピクチャー、つまり写真的静止と映画的運動がデジタル上のイメージ生成システムを経由し単独の写真のフレーム内部で相互関係を築いていくハイブリッドなイメージに基づいている。著者は、ジム・キャンベル、ケン・ジェイコブス、ダヴィット・クレルボ、ジュリー・メルツァー、デイヴィッド・ソーンの作品を分析することで、こういったピクチャーが、実写とアニメーションのあいだ、そして記録されたものと操作されたものとのあいだの境界線を曖昧なものとすることで、ドキュメンタリー的なエピステフィリア(知ることへの欲望)を満たし、ドキュメンタリーに接するかのように見者が、「思索」かつ「調査」しつつ写真的痕跡に関わっていこうとする気持ちを喚起する。デジタル・ムーヴィング・ピクチャーは、ドキュメンタリーの拡張する領域(ロザリンド・クラウス)を心に描くことをわれわれに要求するだろう。その領域では、ドキュメンタリーについてのモダニスト的概念を規定する一連の二項——たとえば、アナログのフィルムおよび写真が持つ写真化学的な性質を、アニメーションもしくはレンダリングされた映像イメージよりも表象機能において信頼に値すると看做し、優越的に考えること――が問題として取り上げられる。

関連する一覧