これでおしまい?:エコクリティカルな視座から読むアメリカの長編アニメ映画
1970年代の環境保護運動をその子供向けテレビ番組や映画への強い影響からその後のエコ関係の映画への道を開いたと考える人も多いが、「これでおしまい?」が明らかにするように、アニメ映画の環境的表現の歴史はアメリカの歴史をさらに遡る。現代の環境保護運動—およびその影響を受けた漫画—は1960年代に活気づいたとする見解とは相反して、Robin L. Murray(ロビン・L・マレー)とJoseph K. Heumann(ジョセフ・K・ホイマン)が1930年代、1940年代、1950年代にどのように環境保護主義がアニメ映画においてどのように関心を高めたかを明らかにする。「Felix the Cat(邦題:フィリックス・ザ・キャット)」やディズニー映画でもっとも愛されている「Bambi(邦題:バンビ)」からピクサーの「Wall-E(邦題:ウォーリー)」やJames Cameron(ジェームズ・キャメロン)の「Avatar(邦題:アバター9)」まで、この稿では、環境的テーマを掲げた長編アニメ映画がさまざまなレベルでどのように資金を生み出すかを示している—特に、広範囲にわたる家族向けの娯楽および消費財の伝達者として。暴力、暗黒世界、都市環境を描写したRalph Bakshi(ラルフ・バクシ)のX指定となった「フィリックス・ザ・キャット」およびR指定の「Heavy Traffic」および「Coonskin(邦題:ストリートファイター)」のみが環境を意識しない消費者市場においてこのブームに浸かることを避けている。
環境漫画を文化的および歴史的背景の中で見せながら、この本は、ヒトと環境の関係についての認識の変化や環境映画およびアニメ映画新しい解釈への新鮮な洞察をもたらしてくれる。