禁断のアニメーション:アメリカにおける検閲された漫画とブラックリストに載せられたアニメーション製作者
トゥイーティー・バードが黄色に色付けられたのは、原本のピンク色は裸に見えるという検閲の判断によるものでした。ベティちゃんのドレスの丈はガーターが見えないように調整されました。また最近では、マイティ・マウスが実際に嗅いでいたのは花びらでなくコカインだったとの抗議団体の主張を受け、そのひとコマがカットされました。これらの修正、またその他の同様な修正は、アニメーションが劇場やテレビで公開される前に公認検閲または組織集団により要求されています。一部の無声アニメーションのわずかにわいせつじみたギャグが、発声映画時代に厳格な基準によって置き換えられたことは、アニメーション業界におけるこの検閲歴史の中で取り上げられた最初の不運な出来事です。多くの初期アニメーションにおける人種的固定観念の永続化、それと同時にそういったアニメーション製作の中止を試みるスタジオの取り組みについて考察します。次に、レニー・ブルース氏の「サンキュー・マスクマン」やラルフ・バクシ氏の「フリッツ・ザ・キャット」など、数多くの無検閲のアニメーションに目を向けます。続いて、テレビで放送された劇場公開版への修正をはじめ、テレビ向けアニメーションに適用する種々の基準まで、テレビ放送用アニメーションの検閲制度を取り上げます。最終章では、1950年代に共産党同調者の疑惑でアニメーション業界からブラックリストに載せられた多くのアニメーション製作者について検討します。