アニメーションの文化:安定した時代のハリウッドカートゥーン
視聴者や人気のメディアには長い間、「子どもの娯楽」とみなされてきたハリウッドアニメーションは、ちょっとした注目を浴びることとなった。Eric Smoodinの『Animating Culture』は、アニメーションのショートフィルムを初めて徹底的に分析した唯一の書籍である。
通常は7~8分程度上映されるカートゥーンは、MGM、ワーナー・ブラザーズ、ディズニーといったハリウッドのメジャーなスタジオ で製作され、ニュース映画や長編映画とともに映画館で上映された。Smoodinは、それらを大量生産したアニメーションの短さとシステムについて探究した。劇場で公開されたカートゥーンはどのようなものであったか?ストーリーはどのように語られたか?それらは誰に向けて語られたか?人種、階層、性別についてはどのように言及したか?カートゥーンを夜の同時上映の長編映画とどのように関連づけたか?ドナルド・ダッグやミニー・マウスのようなカートゥーン界のスターの社会的機能は何だったか?
Smoodinは、カートゥーンが子どもだけにとどまらず、幅広い層の視聴者にアピールする力があり、政治的な事項についての公の論議にも実際に関与していたと主張する。彼は、アニメーション映画を考察する際に無視されることが多い問題を検討している。たとえばそれは米軍の"Private Snafu"(スナフ二等兵)という作品中での社会的規制であったり、ベティ・ブープの身体の「部位」やカートゥーンのハーレムでのセクシャリティや人種などである。さまざまなカートゥーン作品に組み込まれた多数の論説に対するSmoodinの分析は、アニメーションは階層関係、労力、帝国主義、検閲制度を扱った複雑で時に矛盾のある方法であることを明らかにしている。米国政府と密接な関係にあるディズニーやディズニースタジオについての彼の考察は、政治的で文化的な生活の中でのカートゥーンの位置するところを我々に再考させるものである。Smoodinは、カートゥーンとハリウッドのスタジオシステムとの、またカートゥーンとその視聴者との間の複雑な関係を明らかにしている。