実写映画的表現法のアニメーションへの応用――『太陽の王子ホルスの大冒険』
太平洋戦争が終わって、連合軍の日本統治が終わった後、日本の劇映画、漫画、アニメーションといった領域で働く文化的労働者は、彼らの芸術的、社会的表現を拡張するために、各自の労働媒体を上手にまた速やかに活用するようになった。本論文は「太陽の王子ホルスの大冒険」(1968)をグラムシ流に解釈している。それは映画制作を取り巻く状況と映画の物語の内容を包含するものである。本論文では、映画の政治的立場を戦後の産業化日本に関連付け、国の独立を確かめ、また国際舞台での役割を確認する努力に関連付けることを試みている。(日本語訳:横田正夫)