ウォル卜・ディズ二ー――忘れ去られた時代
ディズニー作品の中で、ほとんど紹介されてこなかった、忘れ去られた時代の作品について論述した。この40年代の作品群は、折衷主義的、実験的、奇妙な、センチメンタル、風刺的なものが次々と現れ、都会的で、上品なものであったり、野卑で凝ったものもあったりした。こうした一貫性のなさは、会社が他社から学ぼうとする姿勢を持っていたことを理解させる。しかも、少年少女に影響を与えると思われる、タバコを吸うといった行動は注意深く削除され、会社哲学の価値を低めるような試みは避けられた。最近では忘れ去られた時代の作品の多くが、完全な形のまま残っているわけではないにしても、ある形式では、見ることができるのは幸運なことである。(日本語版要約作成:横田正夫)