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中国アニメーションスタイルの現代化:『ナタ~魔童降臨~』を事例として

本稿では、人気アニメ『ナタ~魔童降臨~』(2019年)がアニメーションスタイルを代表する「国風」になれるのかについて考察する。学者によって変化しやすい「国風」の性質が実証されてきたが、本稿ではその研究を拡大し、今日の社会政治的状況において、いかに『ナタ~魔童降臨~』(2019年)が「中国らしさ」を表現しているのか、その概念を考察する。方法論的には、主に映画のナラティブと美学に注目して、本作品を話題作にした数々のレビューを対照する。『ナタ~魔童降臨~』(2019年)が表すのは、伝統と現代性が融合した国家のイメージであり、「技術」とそのデジタル性に焦点を当てることは、近代性のシンボルとしての中国アニメーションを変えることだと著者は主張する。過去と現在を物語風に美しく描写する『ナタ~魔童降臨~』(2019年)は、グローバルと国内というハイブリッド型スタイルを体現している一方で、中国文化が国を象徴する文化として掲げられていることから、文化的にはきっちりと区別されている。

  • タイトル(英語)
Contemporizing the National Style in Chinese Animation: The Case of Nezha (2019)
  • 発表年
2021年
  • 著者
  • 掲載誌
Animation: An Interdisciplinary Journal
  • 掲載誌巻号
16(3)
  • 掲載誌ページ
157-174
  • 掲載誌ウェブページ
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/17468477211049354
  • DOI
10.1177/17468477211049354

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