視聴者のアニメーション認知に対する音楽の影響に関する研究
アニメーション監督や作曲家は、どのようにその独創性と表現力を作品に取り入れているのだろうか。また、視聴者はどのようにそれが重要かつ議論に値するものとして理解し、評価できるのだろうか。本研究では、定量的研究および定性的研究を通して 視聴者のアニメーション認知に対する音楽の影響を研究する。美学および音楽を専門とする学者によって音楽美学と音楽そのものに関する多くの研究が行われた。近年では、音楽と映画に関する研究も同様に進んでいるが、視聴者のアニメーション音楽の認知に関する研究は不足している。本研究は、人気のある砂のアニメーションという形式に焦点を当て、主要な要因を明らかにする手掛かりとなる視聴者の認知の違いと好みを明らかにする。研究結果は次のとおりである。(1)視聴者は楽器、リズムのケーデンス、ビデオとオーディオの適合性におけるより一貫性のある微妙な違いを認識した。ボーカルとパフォーマンススキル、音楽性、さらには感情の伝え方にも明確な違いがみられた。(2)視聴者によるアニメーションの評価において、独創性、文化的意味および好みという3つの主要な側面が音楽の影響を受けていた。アニメーション音楽を構成する7つの要素(管弦楽法、ボーカルスキル、音楽性、リズムのケーデンス、パフォーマンステクニック、感情の伝え方、ビデオとオーディオの適合性)は、視聴者によるアニメーション映画の評価にさまざまな度合いの影響を及ぼした。この中でも最も重要な要素がビデオとオーディオの適合性である。これは、独創性、文化的意味および好みという点で視聴者の評価に同時に影響した。(3)独創性、文化的意味および好みという点からアニメーション映画を評価する上で、異なる年齢と職業的背景を持つ視聴者の間には大きな違いがみられた。(4)音楽の違いは、物語の内容、役割の特定、スピリチュアル面での適合性など、アニメーション映画の10つの側面に対する視聴者の認識と評価に多大な影響を与えた。